YouTubeに投稿する動画に字幕をどのようにつけるべきか?

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YouTubeに字幕をつけるべきなのか?

結論から書くと、字幕は視聴者層に合わせてつけましょう。

例えば、本の解説やフィットネスの解説動画の場合は、まず音声(自分の声)でその動画内容について解説すると思います。この場合、音声認識された言語が自動で字幕を作成するシステムがYouTubeにはあります。

つまり、動画内で喋ったことを全て字幕にするという作業は、すでにYouTubeが勝手にやってくれているので、自分で動画編集をして字幕付けをする必要はありません。

しかし、要点をまとめた最初の字幕作成や、大まかな動画の解説には字幕が必要です。動画としてYouTubeを楽しんでいるユーザーをより惹きつける技術として字幕は大いに役立ちます

このように字幕をどのようにつけていくのかを考えることは、とても重要な問題でありますが、その動画の内容によって必要なのか、そうではないのか見極める必要があります。

動画視聴歴13年、PV数10万の動画制作者が解説します。

私はニコニコ動画を2007年頃から視聴し始めて、YouTube、中国のbilibliなどを見続けて来ました。ネットラジオを2004年の中学2年生の頃に始めた私は、その面白さにどっぷりとつかっていましたが、まさか企業でYouTubeのチャンネルを持ったり、zoomでオンライン飲み会が日常的に行われる日々がくるとは思っていませんでした。

そんななか私はゲームがきっかけで中国のbilibliという動画投稿サイトでYouTuber的な動画を投稿し始めました。初めて投稿した動画の再生数は10再生数くらいだったと思いますが、一ヶ月で10万PVを達成しました。

2019年のbilibiliでは、日本人でゲームやアニメ、漫画が好きだというだけで人気者になれる未開の地で、どんな人でもちょっと中国語を勉強すれば人気者になれるのではないだろうか?という状況でした。かわいい女子大生が日本の文化を解説するだけで10万フォロワーは簡単に達成できる状態です。

日本においての字幕の位置づけ

先ほども書きましたが、日本のYouTube視聴者向け動画においては、字幕を付けた方が良い場合もありますし、不必要な場合もあります。

最近の解説動画などでは、動画の再生速度を通常の1倍ではなく、1.5倍や2倍速にしてラジオのように流し聞きしているユーザーも多くいると考えられます。これは5Gの到来によりデータ容量も無制限の時代を迎え、多数の動画を自由に見れるようになったことも要因の一つだと考えられます。

そして、解説動画のようなマニアックな話になればなるほど、字幕の優先度は低くなり、バラエティ番組のような動画になればなるほど、字幕の優先度は高くなります。

笑って楽しめる動画ほど字幕は重要

バラエティよりな動画ほど字幕は大切です

例えば、無名のYouTuberが、コンビニで発売されたケーキを食べて解説する動画を作ったとします。この動画の場合は、自分で字幕をつけなければヒットする動画にはほとんどなりません。

その理由は、その動画に内容が無いからです。

内容が無い動画ほど、字幕が必要です。

字幕だけではなく、映像にエフェクトを付けたり、効果音を付けることが重要になってきます。

なぜそのような加工が必要なのかは、開設者が「おいしい」とコメントすることよりも、「動画として面白い」ものを視聴者が求めているからです。

ヒカキンさん、はじめしゃちょーさんから学ぶ動画テクニック

YouTubeを見る人で、この二人の名前を知らない人はいないくらい有名なお二人。まったくジャンルの違う解説系YouTuberの間でも、たまに名前が出てきます。このお二人の動画を見ると、字幕、画面効果、アイキャッチ、オープニングとエンディング、効果音、喋り方などなど、細かいながらも素晴らしいテクニックが見て取れます。

ここでは詳しく解説しませんが、バラエティよりの動画制作を考えていて、まだ見たことが無い方は、動画制作する前にお二人の動画を視聴して参考にするだけで、動画のクオリティが何倍にもなると思います。特に字幕の出し方と効果音の使い方。オープニングとエンディングの編集技術はアニメやドラマでは学べない、YouTubeオリジナルの技術だと思います。

ホスト、キャバ嬢から学ぶ動画テクニック

また、手っ取り早く動画再生数を伸ばしたい場合は、かわいい女性キャストを起用し、Amazonで売っている激安コスプレをレビューしてみたり、コンビニ食をレビューする動画を1ヶ月続けることが出来れば、広告収入が貰えるレベルにはなるはずです。

あまり知られていないことかもしれませんが、コロナの影響で店員と客が動画に大量に流れてきています。以前から夜のお仕事をされていた方が動画配信業に勤しんでいることはよくありましたが、最近ではこちらが本業になっている方も多くいるような気がします。

そのような動画や生放送を見ていると、とにかくかわいいやカッコいいは正義であり、彼らとのコミュニケーションを取れるというだけで、大きなお金が動いているという文化はネットの中でも大きいということがわかります。もしも、自身の第一印象に自信があるという方は、その素質を存分に活用してみるのも一つの方法だと思いますし、アイドル育成のように、キャストを起用してYouTube動画を作成してみるのも良いかもしれません。

このような動画制作をする場合は、素人が一人で頑張っていることをコンセプトにあげる場合は字幕不要。アイドルのようにブランディングしていく場合は字幕必要となるので、その見極めが重要です。基本的には「かわいい、かっこいい」を視聴者は求めているので、字幕不必要だと考えられます。

庵野秀明さんから学ぶ動画テクニック

『シン・ゴジラ』や『新世紀ヱヴァンゲリヲン』でも有名な庵野秀明監督作品からもバラエティーよりの動画制作テクニックを学ぶことができます。以下は岡田斗司夫さんも解説していたことですが、そのほとんどが現代のYouTube動画制作に応用できると思いましたのでご紹介します。

YouTube『岡田斗司夫ゼミ』にて、内容が無い場面において、多くのカットを使っていて、重要な会話のシーンは1カットである。というお話がありました。これは会話に内容がない時間は、観客に絵で楽しませるという工夫をされているということです。

コンビニのケーキを食べて「このケーキ、すごく、おいしいです」という場面の場合、1かっとでサラッと見せるよりも、3カットに分割して、効果音を付けて、ための時間を入れて、「おいしいです!(きらり~ん)」というエフェクトを入れるだけで、動画としての面白さが数倍になります。

バラエティーよりではなく、論理的に解説するマニアックな動画の場合。例えば勝間和代さんのYouTube動画やDAIGOさん場合などは、その話に集中して耳を傾けていることが多いので、エフェクトや字幕は全く必要ありません。その話に集中しているので画面は必要ないレベルです。

中田敦彦さんから学ぶ動画テクニック

中田敦彦さんの動画は、新しい芸を見ているかのよう感覚を覚えます。一冊の本や、一つの時代を学ぶことが、これほどまでに面白い事なのかととても楽しく視聴できます。これは中田敦彦さんの喋りはもちろんオープニングからエンディング、効果音や字幕など様々な動画編集技術を使っている事もあります。そしてYouTubeの倍速機能や、スクロールバーをちょっと移動させれば、見たいところをすぐにもう一度見れたりする機能との相性が抜群に良い点もあげられます。

長い動画は何本かに分けている事が最大の特徴かもしれません。全編後編の動画は多々ありますが、5本や8本ほどにまで動画の幅を広げていることは、とても珍しいことではないかと思います。30分ほどの動画の最後には毎回中田敦彦さんのオンラインサロンへの導入を置いておくのもYouTubeの活動だけに留まらず、様々な活動へと広げる試みだと感じています。

オリジナルゲーム「XENO」を作り上げ、YouTubeのを活用し対戦動画も面白いです。「XENO」は相手の心理を読みあうカードゲームなので、ルールがわからないと少し難しい動画ですが、カードゲームをうまくYouTubeに展開されていると思います。投稿者が作成したものをYouTubeを使って広めていくための筋道として参考にしてみてはいかがでしょうか。エンドロールとして、動画制作に携わった方々の名前を表示しているのもテレビから引用した良い例です。

様々な企業が、自社商品を展開するための広告動画を作成している昨今ですが、社長がブログ的に動画を作成し、そのコンテンツの一つとして自社商品を宣伝するといった流れの方が圧倒的に視聴者は獲得できるはずです。こういった場合は、視聴者層に合わせた字幕の作成が必要です。

論理的な解説動画ほど、字幕は不必要

論理的な解説動画ほど字幕は不必要です。映像を求めているというより、その話の内容に興味がある視聴者が集まっているため、字幕以前に画面すら見ていない視聴者もたくさんいます。また解説動画では、字幕自動作成機能はとても有効です。たまに変換間違えもありますが、十分使える機能なので、話す内容に自信がある場合は字幕を付けづに投稿しても問題ありません。

勝間和代さんから学ぶ動画テクニック

勝間和代さんの動画はシンプルです。毎日19時にマニアックな話を本人がする、というものです。内容は様々ですが、基本的には学びのある動画です。私も『7つの習慣』を勝間さんの動画を見て学び、その後書籍を購入しました。

勝間さんの動画はノーカット無編集が基本です。猫がかわいいですね。

そして、本人が使っている動画制作のテクニックも公開されています。動画を数本見ればわかりますが、オープニングとエンディングのテクニックがシンプルでありながら論理的にまとめられています。

オープニングでは、挨拶(こんばんは)、名前、今日のテーマの数秒で始まります。まったく無駄がなく、「今日はこのことについて学べるのだな」と理解できます。

そして最後のエンディングでは、今日のテーマ、名前、次回の挨拶(また明日夜7時にお会いしましょう)と完結でありながら、記憶に残る形となっています。

何かを伝えたい時には、しつこいくらいが丁度いい

勝間さんは動画解説の中でも紹介されていますが、「何かを伝えたい時には、しつこいくらいが丁度いい」とお話されています。これは最初のオープニングで伝えたい事のテーマを伝え、内容を伝え(この時、何回も繰り返す)、そして最後に今回伝えたかったことをまた伝える。という動画の中でも実践されていることです。

これまで何十本も勝間和代さんの動画を見てきましたが、動画の内容をはっきり覚えていることは少ないです。何度も何度も、しつこいくらいに一日一つのテーマを学んでいるはずなのに、まったく頭に残っていません。大抵の視聴者も同様です。伝えたい事はしつこいくらいに何度も話しましょう。

DAIGOさんから学ぶマネタイズのテクニック

しつこいくらいに何度も解説するテクニックはDAIGOさんのYouTube動画でも使用されていますが、DAIGOさんはさらにマネタイズのテクニックを使用されていますのでご紹介します。

DAIGOさんの主要動画はニコニコ動画にあります。こちらは月額有料会員限定の動画となっているため、会員登録しなければ視聴できません。その広告としてYouTubeを活用しているのです。もともとDAIGOさんはニコニコ動画の方で人気もあり、有料会員登録者数1位ですが、そのことを知っているYouTube動画視聴者はあまりおおくないと思います。それはYouTubeとニコニコ動画を見ている視聴者層が違う時期があったからだと思います。もともとYouTubeの動画にコメントを流す事が出来るようになって誕生したニコニコ動画ですが、MAD動画や、二次創作文化で成長してきたニコニコ動画にはオタク的なコンテンツが多い動画投稿サイトでした。

近年ビジネス系ユーチューバーが爆発的に増え、その存在をしらない人もたくさん流入してきたところを、YouTubeにも顔を出して、名前が売れてきたところで、有料課金サイトへと誘導するというのがマネタイズの手法です。以前からYouTube内では動画規約の変更により、いつ広告収入が途絶えてもおかしくない状況で、月額会員チャンネルは安定収入を得るためには必要不可欠とされてきました。この構造をうまく活用した新規視聴者の獲得戦略と言えます。

もちろんDAIGOさんの動画には字幕は付けられていません。

またDAIGOさんや西村ひろゆきさんは、LIVE配信によるスパチャ収入もあります。こちらでは詳しく解説しませんが、LIVE配信では無編集ノーカットです。それなのに2日間で1億円を稼いだ強者もいるという事実だけお知らせします。

国際的な動画から学ぶテクニック

YouTubeドリームは、ピコ太郎さんの様な超大物YouTuberの創造にあると思います。字幕を入れることで、一本の動画から世界を駆け巡るスーパースターになれる可能性があります。それでは一体どのような動画が国際的に受け入れられやすいのでしょうか。これは堀江貴文さんが以前からYouTube動画で試行錯誤されていたことでもあるようなのでご紹介します。

英語圏には吹替を付け、世界向けには字幕を付ける

ホリエモンこと堀江貴文は以前、自分の英語スキルを活かして自分で英語の解説をしてみたり、色々と試行錯誤されてきたようですが、結論からいうと英語の吹替を付けるのが良いとお話されていました。確かに英語圏でYouTubeを見ている人で字幕が読めない人や、ほとんどみてくれない視聴者がいるようですが、吹替だけでは、その英語圏の人にしか届きません。

以前、子供が難病になってしまい手術が必要な子供を撮影した親子が世界的なYouTuberになったニュースがありました。この動画を作成した両親は英語だけではなく、数か国語に翻訳し動画投稿したと報道されていました。私もそうですが、リスニングはまったくわかりませんが、リーディングだったら少しはわかるという人もたくさんいるのも事実です。

世界的大ヒットを記録したピコ太郎さんの動画

ピコ太郎さんの動画を思い出してみると、しゃべりは日本人の簡単な英語と、英語の字幕だったと思います。これほどまでに万人が理解できる音楽動画を発明したピコ太郎さんは偉大で、現在のグローバルな環境に最適化された動画だったと言えます。

中国動画サイトから学ぶテクニック

中国版ニコニコ動画と呼ばれるbilibliですが、アニメの公式配信をたくさんしています。その中で印象的だったのが、字幕がデフォルトで付いていることでした。これは中国独特の方言の多さが由来していると考えられます。喋っていることはよくわからないければ、字幕があればなんとかわかる、それが中国語です。中国人同士でも起こる現象なので必然的に字幕がデフォルトになったのでしょう。

このようにむしろ字幕が無ければ、まったく見られることが無いという恐ろしい事も起こりえることを頭に入れておく必要があります。今後YouTubeが無くなることも想定し、他の動画投稿サイトも参考にしてみることは重要なことです。今まであった日常が、コロナによってなくなってしまうように、未来はどうなるかわかりません。

現在中国ではYouTubeが視聴できません。それは国の情報操作によるものです。以前まで、中国人が日本に旅行するさい様々な規制がありましたが、その規制が緩まったことでインバウンドが膨れ上がりました。

中国でYouTubeが見れるようになったらどうなるか?

現在YouTubeに投稿されている中国語系の動画は、台湾人が作成したものや、海外に住む中国語系の投稿者が作成されたものです。なので人口が一番多い国なのに、投稿者と視聴者は恐ろしく少ない状況です。英語圏の投稿が一番多いと思います。しかし、中国政府の情報統制が緩み、中国人がYouTubeに参入してきたらどうでしょうか?

一夜にして世界はひっくり返ると思います。

そうなると中国語の字幕をとりあえずつけていれば、PV数が劇的に増えることは間違いありません。もしそんな時が来たとき、あるいは似たような現象が来た時には、この記事の事を思い出していただければ幸いです。

まとめ。字幕は必要な場合もあるし、不必要な場合もある。場合によっては吹替で。

まず、その動画の特性とターゲットとする視聴者の選定が重要であり不可欠であることは理解して頂けたと思います。

バラエティーよりの動画は字幕をつける。できれば効果音やエフェクトもつけましょう。

論理的な解説動画の場合はコンテンツで勝負するのが吉。映像を見ていない視聴者層もいます。

国際的な動画の場合は吹替と字幕が成功の秘訣。超大ヒットには緻密な計算が必要です。

以上、私の動画視聴経験をギュッと書き込んでみました。何かのお役に立てていれば幸いです。

この記事を書いた人

小幡 知弘

1990年茨城県神栖市生まれ
2013年大阪芸術大学卒業
Python×Webエンジニア