ホットペッパービューティーで初回割引がなくなった?ネットのレッドオーシャン予測

お世話になっているクライアントから、たまたま楽天の営業で売り上げアップの方法を聞いたから実践してみたいと相談を受けることがありました。

楽天社員さんがおすすめする売上アップ方法とは、最終的には楽天の利益になることです。必ずしもあなたのショップの売上が上がる事とは言い切れません。

もちろん次の施策に困っている場合や、特に違和感なく楽天社員さんのお話に納得が良く場合などは、ご自身の施策に責任をもって実施されれば良いと思います。

入り口商品の選定は慎重に

恐らく簡単に行える施策の1つに「入り口商品を作る」というものがあげられるかと思います。

これは、新規顧客獲得するために、ショップで質の高いメイン商品の1つを格安でお客様に提供するという施策です。ある意味「損して得取れ」と言われるような施策だと思います。

数えきれないほどのショップの中から、まずお店のページにお客様が来なければ何も始まらないという前提で、お客様をお店に誘導する商品が入り口商品です。

なるほど、そういうことなら一番いい商品を10%割引で出そう。

その考えは危険です。

なぜ危険なのか?それはホットペーパービューティーが初回割引が無くなったという話に繋がります。

初回割引が無くなった理由

美容院での初回割引とはどういう立ち位置かを考えてみましょう。

おそらくこの施策は入り口商品と同様に新規顧客を獲得して、リピーターを増やして利益を出すという考えで行われていたと思います。

まずは宣伝したい美容院に一度来てもらって、髪を切ってもらう。

そこまでは悪くないと思います。

しかし、2回目にお客様が同じ美容院を利用するときを考えてみてください。

同じ髪を切ってもらうというサービスを受けるだけならば、元の料金に戻るので、少し高く感じるはずです。

2回目の利用で何かサービスが追加されるわけでもなく、さらに値段が上がるお店にもう一度行きたくなるでしょうか?

そこに、500m歩いたところに初回割引をしているお店があったのなら、そこに行って割引を受けた方が金銭的にお得ですよね?

全部のお店が初回割引をしているのならば、全部のお店が初回割引をなくすことで、全ての店舗の利益率があがるのではないでしょうか?

悪いこと

床屋さんに組合がある理由

床屋さんの歴史は長く、すでに美容院がおこなってきた施策は、業界の首を絞めるだけの事だと知っていたのかもしれません。

わたしは床屋さんが割引を行っていた時代と言うものを知りませんが、いつからか1000円カットというサービスが始まりました。

私の近所の1000円カットでは、コロナ以前から1600円ほどに値上がりしていたのを覚えていますが、やはり値下げは自分たちの首を絞めるだけなのかもしれません。

特に、床屋と美容院業界は、人口で売り上げの上限が決まります。

さらに一定期間経つとお店にくるというサイクルがあります。

これはつまり割引があろうが、無かろうが定期的にお店で髪を切るという事にはかわりがないということです。

人口減少とコロナの不景気

ここまで読まれた方は既に気が付かれているかもしれません。

まず床屋さんと同様に人口減少によって、もともとあった購入者の減少。

さらにコロナの不景気により購買力の停滞。

これまで定期的に給料が振り込まれるたびに、ネットショップでご褒美を購入されていた人も減り

各社でボーナスはカットされることで、夏と冬の売上は下がる。

と、ネガティブな事を言っていても始まらないので、まずは同じカテゴリーでの組合を作るということが必要なのかもしれません。

減りつつあるパイの奪い合いをすれば、体力勝負にならざるを得ません。

持続か給付金が尽きたその後に待つ未来

今は小さなショップを運営している皆さんも給付金のおかげで運営が出来ている部分もあるかもしれません。

しかし、これから更なる不況が来ることは間違いありません。

ベーシックインカムや、それに代わる保証制度の確立、あるいは、コロナの突然の終息などが起こらなければ、間違いなく大不況が訪れると私は考えています。

その前にネットショップ運営者全員が解決策を考えなければならないのではないでしょうか?

楽天、ヤフー、amazonの手の上で転がされているような状況から早く抜け出して、まずは自分たちの首を絞めないような枠組みを見出す。

とは思いつつ、現実的には不可能でしょう。

コツコツと努力した店だけが生き残る

上記の話は現実と理想を語ってみただけではありますが、全く見当違いな話という訳でもないかと思います。

最後の全店舗が協力ということだけは、夢物語でしょう。

現実的には本当に良いお店だけが生き残るということになるかと思います。

2番手でさえ潰れる。

それが2021年の未来予測です。

これはネットショップでの未来予測ですが、とにかくどんなカテゴリーでも良いので1番にいれば生き残れるということでもあります。

激戦区であるファッションや飲食カテゴリーで中小企業が生き残るのはほとんど無理かもしれません。

ファッションと飲食系で1番に君臨しているお店というのは、それだけ並々ならぬ努力を積み重ねてきたのだと思います。

独自ショップの確立地域営業という施策

これはある意味、大手モールを小さな日本という地域に例えた時に、床屋さんの様な状況になるのが未来予測だという話です。

それを逆手にとって、その村社会から抜け出すという施策も有効かと思います。

大手モールから抜ける。ということです。

そんなことしたらさらにお客が減るじゃないか!とおしかりの声が聞こえそうですが、独自ショップを構えて、地元地域で再び営業をかけるというところが肝です。

まだまだネットで買い物をするのが面倒と思っている方や、地域の良いものを買いたいという需要はあります。

また海外大手モールでの販売なども有効です。

いち早く不毛な日本大手モールでの販売から手を引くということも、レッドオーシャンから抜け出す施策の1つです。

アジア市場への進出が出来れば、今まで当たり前と考えて居た商品ですら大きな利益を作り出すことが可能です。

アジア大手モール市場進出で思う事

床屋さんは、街にある床屋さんが限られているからこそ継続できる職業でもあるかと思います。

需要と供給が良いバランスということです。

今のネットショップは誰でも気軽に始められるということで、資格も必要なく、資金も必要なく、一般素人がお店の看板を持って始めた商売がビッグビジネスに化ける可能性もある場です。

裏を返せば供給量が多くなりすぎてしまい、消費者は初回割引の恩恵を授かれる状況になってしまっているとも言えます。

それは日本という小さい単位で物事あるいは、小さい村にたくさんの床屋さんがあるという状況を見ているから、レッドオーシャンに見えるのです。

国を越える事、床屋さんがたくさんあるこの村を抜け出すことができれば、新しい市場が開けます。

まとめ

組織化するか、一番になるか、市場を変えるか。

それぞれお店の事情もあるかと思いますが、不景気は止められません。

あなたの入り口商品はそれで本当に大丈夫ですか?

その値下げ、割引、サービスは本当に必要なものですか?

もう一度しっかり検討されることをお薦めします。

この記事を書いた人

小幡 知弘

1990年茨城県神栖市生まれ
2013年大阪芸術大学卒業
Python×Webエンジニア