現役ECコンサルが教えるネットショップの売上を伸ばすための3つの方法

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楽天市場、Amazon、ヤフーなど、大手ショッピングモールで売り上げを伸ばすには?

結論から言えば、1「損して得取れ」の精神が非常に重要です。

私は今ECサイトを運営されているクライアントから、売り上げを伸ばすためのお仕事を任せて頂いていますが、常々「損して得取れ」が必要ですとお伝えしてきました。

新型コロナウイルスの影響で、東京にある実店舗も次々と閉店している昨今。お店の存続をかけて、オンラインショップを始めたという事業者の方も少なくないと思います。

オンラインショップだけでなく、飲食店ではデリバリーサービスなど、あらゆる商品、サービスがネットを利用した事業へと方向転換していると感じます。

大手予備校では既に、オンライン授業がスタートし、美術館では展示会が中止になった影響で、作品が無い展示会が行われるなど、まだまだコロナの影響は各地で顕著にあらわれていると感じます。

私もECサイトを運営しているクライアントから、どのようにすれば売り上げが伸ばせるのか?と率直に意見を聞かれることがあります。ECサイトの中でも特に、大手モールでお店を構えていらっしゃるクライアントの場合はモールの力を頼らざるおえない状況にあることもあり、一般的なWebサイト構築だけではまったく集客にならないことがありますので、一筋縄ではいきません。

2、お客様に手に取って頂ける、【入り口商品】を作りましょう。

お店の入り口

私は楽天市場でお店を運営しているあるクライアントに、「入り口商品を作りましょう」と常々お伝えしてきました。そのお店は既に運営開始されてから数年が経ち、一度外注業者にデザインを委託されているお店でした。

デザインを委託されていたこともあり、トップページ、カテゴリーページ、お店のバナーなどもそれなりに整備されていて良いお店の様に感じましたが、肝心な商品ページの作りこみが甘いことに気が付きました。

一般的なコーポレートサイトは基本的に、訪問者はトップページに一番最初たどり着きます。これは、企業名やお店の名前をgoogleなど検索エンジンで検索した後、サイトアクセスをしているためです。

ところが大手ショッピングモールは、この導入が違います。

新規購入者は、お店の名前をほとんど気にしていない

例えば楽天市場でお買い物をするとします。「喜多方ラーメン」を買いたいとします。

その場合、あなたどのように検索をしていきますか?

まず、楽天市場のトップページを探し、そこの検索窓を利用すると思います。

そして、「喜多方ラーメン」と検索したページを目にし、次は何を見るでしょうか?

値段、商品画像、評価の良しあし、送料は無料か?と言ったところを確認すると思います。

そうです。お店の名前は気にしません。

3、値段、送料、商品画像、タイトルに最大限気をつかう

以上のように、お客様が見るところは、値段、送料、商品画像、タイトルです。実店舗で販売をされていた方には不利なこともたくさんあります。店長の人の良さだったり、試食してもらったり、長年続けてきたお店の立地だったりはオンラインではほとんど関係ありません。

まずは、入り口商品を作りましょう。

入り口商品とは、実店舗で言うところの、試食だったり、最初にお客様がご購入され易い商品、あなたのオンラインショップをしってもらうための商品です。

この入り口商品は、値段を競合他社に負けないくらい低価格にし、送料も無料にすることをお薦めしています。

「そんなことしたら利益が出ない!」と思われるかもしれませんが、この商品は「お客様を呼び込むための商品」なので、ほとんど利益は出ません。しかし、明確な目的があります。

損して得とれ

お金の画像

パナソニックの創始者、松下幸之助さんもこの言葉を使われていた記録が残されています。

そして、私の記憶が正しければ、大阪万博でもその商売精神が明確にあらわれ大成功されたという逸話があります。大阪万博開催期間はとても熱い日が続き、月の石などを見ようと行列をなしていたお客様を見た松下さんは、どうにかお客様のためにならないか?と考えていたそうです。

そこで思いついたのが、お客様にサンバイザーをプレゼントするというアイデアでした。もちろん、少しでも暑さをしのぎたいお客様はサンバイザーを喜んで受け取り頭に付けます。一見なんのメリットもないサービス精神の様な気もしますが、そのサンバイザーに「松下電器(当時)」の社名が入っており、松下電機の人気が急上昇することに繋がったそうです。

この様にサンバイザーを配布したことで、コストが発生して損をしていますが、結果としてそれが大きな宣伝効果となり、松下電機の製品がたくさん売れたというお話です。損して得を取ったという例でした。

この応用がオンラインショップでも通用します。

ほとんど利益ゼロの商品は、その買いやすさからお客様も比較的お求め易いはずです。まずはあなたのお店からご購入頂くことが重要です。

「送料無料とか、利益ゼロの商品なんて無理!」と思われるかもしれませんが「急がば回れ」。これが最短ルートです。

その後の展開を以下で説明します。

4、まずは良いレビューを獲得する

お店の信頼度を確認するには、ほとんどの場合レビューを参照するしかありません。

レビュー件数ゼロのお店から買うよりも、「美味しかったです!」とレビューがついているお店から商品を購入するお客様が圧倒的に多いのは言うまでもありません。

そこで、まずは良いレビューの獲得を目指します。

基本的に大手ショッピングモールでは、商品をご購入いただいたお客様からレビューを頂く形式になっていますので、商品を買って頂かなければ、レビューがつくことはありません。

そこで、入り口商品をご購入頂き、レビューを書いてもらうアクションを取ります。

その方法は、サンキューメールだったり、「レビューを書けばもう一個おまけ!」といった、損して得とれの手法がほとんどです。レビュー1件で新規お客様が獲得できると考えれば、最初の利益が薄い商品の販売は将来への投資ともいえるかもしれません。

レビュー件数ゼロからイチにするには容易ではありません。

持久戦になりますので、最初の数か月はとても厳しい戦いになる覚悟が必要です。

レビュー数を競合他社と比較する

大手モールの場合、レビュー数が多い一社の独占状態になっている場合が多いです。まずは、一番レビュー数が多い競合他社を把握し、あなたのサイトと比較しましょう。

そして、レビュー数が同等に近い数、あるいはそれ以上になった時に、やっと安定的に単価の高い商品が売れていきます。

これは競合他社が似たような単価の高い商品を並べていた場合、どちらでその単価の高い商品を買うか?という問題があるからです。

私だったらレビューが良いお店で買います。

以上、売上が上がらないとお悩みの方は実践してみてはいかがでしょうか?

最後に、商品ページの作りこみについて少し書いてみます。

商品について全く知らない人に説明する難しさ

あなたがオンラインショップを運営していくときは、お客様の気持ちになって運営していくことを忘れないでください。

もし「喜多方ラーメン」を販売するショップの運営者であれば、「喜多方ラーメン」をまったく知らないお客様に丁寧に説明するように商品ページを作成する必要があります。

あなたが考えている「喜多方ラーメンのオンラインショップの常識」は常識ではありません。

お客様はあらゆることに関心があります。

麺の太さや味、スープの色や量、具材の大きさと種類と量、商品の保存方法や賞味期限、配送方法と送料などなど

ここに並べただけでも、これだけの気になることがあります。

5、文字を使わず、画像で説明する。

これを一つひとつ丁寧に、画像をつけて説明することで、やっとお客様はオンラインでご購入に至ります。

「ラーメンの写真」「具の写真」「お店の名前」だけでは、売れません。

購買客はいつ現れるかわからない

1つひとつ丁寧に商品説明をしておくメリットは、「喜多方ラーメン」を探していたお客様に、商品の良さが伝わるだけでなく「ラーメン」を探していたお客様にも伝わる可能性があります。

他にも、あらゆる可能性があります。いつなんどき現れるかわからないお客様に対して、常に良い情報をお伝えするためには、一度しっかりとした商品ページを作ってしまいましょう。

一度商品が売れる最高の商品ページを作成しておけば、その商品ページが訪れたお客様に対して、あなたの分身となりしっかりと宣伝してくれます。

5つのポイントまとめ

  • 損して得取れの精神を知る
  • 入り口商品を作る
  • 値段、送料、商品画像、タイトルに気を使う
  • 良いレビューを獲得する
  • 画像で説明する

この5つをしっかり押さえて最低でも3ヶ月運営を継続的に行えば、売上向上が見込めます。

諦めずにコツコツと日々努力していきましょう。

最後に、「損して得取れ」の精神が1番大事です。

オンラインショップの改修作業をしていると、高単価商品が一気にたくさん売れる様になってくれないかなーという切実なお言葉を頂くことがあります。

まず、オンラインショップは実店舗よりも商品が売りにくいということを、忘れないで欲しいと思います。

そのサイトで更に高単価の商品がポンポンと売れる様になっていたのなら、このコロナを境に実店舗を運営されていた方は皆オンラインショップへと移行されていると思います。

オンラインショップで販売を行うには持久力と「損して得取れ」の精神が大事です。

創業数十年で、常連のお客様がたくさんいても、一度オンラインショップに以降すれば新人店舗と変わりありません。一つひとつの商品ページを構築し、入り口商品をお客様にご購入頂き、レビューを頂きお店全体の信頼を構築していく。

このプロセスは実店舗と何ら変わりありません。むしろ、会話を通じたコミュニケーションが難しいので、苦労されるケースの方が多いと思われます。

そんな苦しいオンラインショップの運営に、さらにプラスして送料無料や、利益ゼロの商品を売り続ける持久力も必要になる運営。オンラインショップは一筋縄には行きません。じっくり腰を据えて、お店の方向性を決めて一歩ずつ前に進んでいくことをお薦めします。

以上です。

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この記事を書いた人

小幡 知弘

1990年茨城県神栖市生まれ
2013年大阪芸術大学卒業
Python×Webエンジニア