2026年上半期の振り返り。AIとTypeScript

仕事中の女性

2026年も半分が終わったので、今回は上半期の仕事や技術面について振り返ってみたいと思います。

振り返ってみると、この半年はAIによって開発の進め方が大きく変わった期間でした。

CursorとCodex(ChatGPT)を使う日々

仕事では、常にAIを使いながらWebサービスの開発を進めています。

使用している言語は、フロントエンドもバックエンドもTypeScriptです。

ただ、最近はコードの大部分をAIに作成してもらっているため、自分の手を使って一行ずつコーディングすることは、ほとんどなくなりました。

もちろん、作成されたコードを読んだり、動作を確認したり、レビューしたりするときには目視で確認します。

一方で、現在の現場は開発速度を重視しているため、人が時間をかけてすべてのコードを細かく確認するよりも、単体テストや結合テストを作成し、期待した結果になるかどうかを確認することに重点が置かれています。

AIにコードを実装してもらい、AIにテストコードも作成してもらう。

テストが通らなければ、原因を調査して修正してもらう。

その結果を人が確認し、問題がなければ次の作業に進む。

このような開発の流れが、かなり自然なものになってきました。

この半年だけを振り返ってみても、最初はCursorを中心に使っていましたが、途中からCodexを使う機会が増えました。

そして最終的にはCodexの機能がChatGPTに統合されるような形になり、呼び方や使い方も変化しています。

ほんの数か月の間に、利用するツールだけでなく、開発の進め方やチーム内で求められる能力まで、ものすごい勢いで変化しているように感じます。

現場をざっと眺めていても、この変化の速度についていくことは大変そうだなと思います。

新しいAIツールが登場するたびに試し、使い方を覚え、自分の業務に取り入れていかなければなりません。

少し前まで効率的だった方法が、数か月後には古いやり方になっている可能性もあります。

AIを使う人と使わない人の差

AIを使いこなせる人は、これまでよりも速い速度で作業を進められるようになりました。

一人で担当できる作業の範囲も広がっています。

一方で、AIをうまく活用できない人や、従来の開発方法を続けたい人との差は、少しずつ大きくなっているように感じます。

AIを積極的に使っている人からすると、AIを使わずに時間をかけて作業している人に対して、どうしても遅いと感じてしまうことがあります。

逆に、AIに慣れていない人からすると、急激に仕事のやり方を変えることを求められ、不安や負担を感じることもあると思います。

こうした認識の違いから、チーム内に軋轢のようなものが生まれる場面もあります。

単純に新しいツールを導入すればよいという話ではなく、チーム全体の技術水準をどのようにそろえていくのか、AIの使い方をどのように共有していくのかも、大きな課題になっています。

AIによってコミュニケーションが不要になるどころか、人同士のコミュニケーションは以前よりも難しくなっている部分があるように思います。

特に危険だなと思うのが「AIにやらせれば良いでしょ」というセリフです。

AIを使って作業することになっても、結局最後は人と人。相手を傷つけないよう気を付けていきたいものです。

少数精鋭のチームが求められるようになる

AIを使うことで、一人のエンジニアがこなせる作業量は確実に増えています。

そのため、今後は大人数のチームよりも、AIを使いこなせる少人数のチームが求められるようになるのかもしれません。

実際に、少数精鋭のチーム構成を望む声も増えているように感じます。

これまでは複数人で分担していた実装作業を、一人または少人数で対応できるようになれば、企業としてはチームを小さくしたいと考えるのは自然なことだと思います。

その結果、AIを使った開発についてこられない人が、チームから外されるようなことも起きてくるのではないかと不安視しています。

もちろん、すべてのエンジニアが同じ速度で新しい技術を習得できるわけではありません。

得意な分野や役割も人によって異なります。

それでも、開発速度が明確な数字として見えるようになると、作業速度や成果物の量だけで比較されてしまう可能性があります。

AIによって開発速度が速まることは、とても便利でありがたいことです。

しかし、その速度の変化によって、働き方や評価方法、人員構成など、さまざまな部分に影響が出ていることを毎日感じています。

現場のAIへの不安感が高まっている

AIの作業速度は非常に速く、助かる部分が大きいです。

私自身、AIがなければ現在の開発速度を維持することは難しいと思っています。

一方で、その便利さに比例するように、エンジニアの中でAIに対する不安感も高まっているように思います。

自分の仕事が将来的になくなるのではないか。

自分の持っている技術が評価されなくなるのではないか。

若い人やAIを使いこなせる人に追い抜かれるのではないか。

そうした不安を感じている人は、少なくないのではないでしょうか。

特に、これまで時間をかけて身につけてきたコーディング能力を、AIが短時間で代替する場面を見ると、複雑な気持ちになるのも理解できます。

私個人としては、今の仕事を毎日楽しくできています。

新しい技術の習得にも積極的に取り組めていますし、これまで自分一人では作れなかったものを作れるようになったことに、嬉しさを感じています。

コーディングそのものに使う時間が減ったことで、システム全体の構成や要件、ユーザーにとって本当に必要な機能について考える時間も増えました。

そのため、現時点では不安よりも、AIによって仕事の可能性が広がっていることへの期待の方が大きいです。

ただし、今後も同じ気持ちでいられるかどうかは分かりません。

AIの進化がさらに加速すれば、現在とはまったく異なる能力が求められる可能性もあります。

マネジメント層の仕事がボトルネックに

AIによって、実装フェーズの開発速度は劇的に変化しました。

要件がしっかり決まっていれば、実装作業の多くをAIに任せられる体制で仕事ができています。

そのため、以前と比べるとコーディングに対するストレスや不安感は、ほとんどなくなったと言えます。

もちろん、私が携わっているプロジェクトで、それほど特殊な処理や前例のない技術を扱っていないことも大きいと思います。

一般的なWebサービスで使われる機能であれば、AIはかなり高い精度で実装してくれます。

ログイン機能やデータの登録・編集・削除、外部APIとの連携、管理画面の作成など、多くの機能はAIに指示を出すことで形になります。

そうなってくると、開発全体のボトルネックは実装作業ではなく、上流工程に移っていきます。

例えば、お客様とのやり取り、要件の整理、仕様の決定、優先順位の判断などです。

チームメンバーへのタスクの割り当てや、スケジュールの組み直し、進捗確認なども、依然として人が対応する必要があります。

実装が一日で終わるようになっても、要件の確認に数日かかれば、プロジェクト全体の速度は上がりません。

むしろ実装速度が速くなったことで、要件の決定や確認の遅さが、これまで以上に目立つようになりました。

エンジニア側では次の作業に進める状態になっているのに、お客様からの回答待ちや、社内での意思決定待ちによって作業が止まることもあります。

また、AIによって一人のエンジニアが複数のタスクを短期間で完了できるようになると、マネジメント側はこれまで以上の速度でタスクを準備し、判断を行う必要があります。

開発メンバーの速度が上がった結果、マネージャーやディレクターの判断速度が、プロジェクト全体の速度を決めるようになってきています。

これからは、エンジニアだけでなく、マネジメント層にもAIを活用する能力が求められるのだと思います。

議事録の整理、要件の文章化、タスクの分解、スケジュール案の作成など、マネジメント業務にもAIを取り入れなければ、開発側の速度に追いつけなくなる可能性があります。

これからエンジニアに求められるもの

AIを使った開発が当たり前になると、エンジニアに求められる能力も変わっていくと思います。

単にコードを書く能力だけでなく、AIに正しく指示を出す能力、作成されたコードの良し悪しを判断する能力、問題が発生したときに原因を切り分ける能力が重要になります。

また、何を作るべきなのかを考え、要件を整理し、関係者に分かりやすく説明する能力も、これまで以上に必要になります。

AIは、与えられた指示に対しては非常に速く作業してくれます。

しかし、曖昧な要件から正しい目的を読み取ったり、関係者同士の意見を調整したりすることは、まだ人間が担当しなければなりません。

これからのエンジニアは、実装を担当する人というよりも、AIを使いながらプロジェクトを前に進める人に近づいていくのかもしれません。

2026年下半期に向けて

2026年の上半期は、AIによる開発が特別なものではなく、日常の仕事として定着した半年でした。

CursorやCodex、ChatGPTなど、利用するツールは短期間で変化しています。

おそらく下半期にも、新しいツールや新しい開発方法が登場すると思います。

その変化をすべて追いかけることは難しいですが、実際に触って試し、自分の仕事に取り入れられるものは積極的に取り入れていきたいです。

同時に、開発速度だけを追い求めるのではなく、チーム内での認識の違いや不安にも目を向ける必要があると感じています。

AIによって一人でできることは増えました。

しかし、プロジェクトは一人だけでは進められません。

技術の変化が速い時代だからこそ、周囲の人とどのように協力し、どのように知識を共有していくのかが、これまで以上に重要になると思います。

下半期も変化を楽しみながら、自分なりにAIとの付き合い方を考えていきたいです。

おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。

引き続きよろしくお願いします!

この記事を書いた人

小幡 知弘

1990年茨城県神栖市生まれ
2013年大阪芸術大学卒業
Python×Webエンジニア